特定保健用食品ミネラルの阪収を助ける①CPPcカゼインホスホペプチド）⑨腸でのカルシウム吸収を高めるミネラルは広い意味では鉱物や無機質を意味しますが、栄養学の観点からは生体の維持や機能活動に必要な微量元素を指します。なかでも、その元素の摂取が不足すると人に欠乏症が出るものは必須ミネラルと呼ばれ、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、鉄など全部で29種類にのぼります。そのうち、現代日本人に欠けがちなものはカルシウムと鉄です。
こっそしようしようよく話題になる骨粗転症は、カノレシウムの不足によります。骨が、古すい大根にできる揺が入ったような状態になり、骨折しやすくなったり歯が弱くなったりします。もともと閉経後の女性に多く、60代のほぼ半数、70代の7割近くにものぽり、寝たきりの原因の3番目がこれによる骨折です。最近は、むりなダイエットをする若い女性にも増えており、日本全体で約1000万人ものj患者がいるといわれます。カルシウムの不足は骨粗懸症だけでなく、妊娠前後に不足すれば子どもの歯の質を損なったり顎骨の発育を悪くしますし、血中のカルシウム濃度が低下すれば神経が興奮して筋がけいれんし、四肢が硬直したり発汗や悪心をおこすこともあります。牛乳や乳製品にカルシウムが多く含まれ、吸収率も他の食品よりずっと高いことが明らかになっていますが、食習慣のちがいや乳糖不耐症などにより、日本人のこれらの需要はなかなか伸びないのが現状です。CPP（カゼインホスホペプチド）はカルシウムの吸収を促進する成分で、牛乳カゼインを酵素分解して得られます。カルシウムは体内で他の食品成分と結合し、難溶性のカルシウム塩として存在することが多いのです。腸管で吸収されるカルシウムは溶けてイオン化されたものだけなので、溶90けないカルシウム塩は吸収されません。
CPPは、カノレシウムなどのミネラレに先に結合して他成分との結合を妨げるとともに、難溶性カルシウム塩の形成も抑制し、腸管でのカjレシウム吸収率を高めてくれます。ヒト試験でその効果をみてみましょう。安男性15人（平均28.1歳）を2群に分け、CPP50mg添加のカルシウム強化還元乳200mQとプラセボ飲料を、交差して飲ませる二重盲検クロスオーパー試験を行なった。その結果、CPP添加乳摂取6時間後の尿中カルシウム排世量が有意に駒大し、カノレシウム吸収が増えたことを示唆した（明治乳業・土田ら）。この試験で用いた還元乳にはカルシウムが強化されていますが、それにはわけがあります。
CPPはとくに添加しなくても、消化管で牛乳成分中のカゼインからも生成されます。牛乳に自然に含まれるカルシウムはこのCPPが分解してくれるのです。一方、添加したCPPは、もっぱら強化分のカルシウムにはたらきます。強化カルシウムと添加CPPはどちらも宵からの排出が早く、小腸内で作用し合う機会が増えるからです。